【号外】【詳説】LISA計画って何?~重力波観測とは~

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重力波初観測
2016年2月12日、LIGO計画によって重力波が観測されました。

関東支部の長谷川 瑠巳です。はやぶさ2のスイングバイに、あかつきの軌道再投入、一般相対性理論誕生100周年など何かと天文に関する行事が多かった今年もいよいよ終わりに近づいてきました。そこで、日本ではpick upされることが恐らくそんなに無いであろうLISA計画についてちょっと知っとこうと思います。なお、LISAPathfinder(アイキャッチ画像)は、先日無事打ち上げられました。

LISA計画とは?

LISA計画では、500万kmごとの地球の太陽周回軌道付近に3つの衛星(レーザー干渉計空間アンテナ)を打ち上げる計画です。“レーザー干渉計空間アンテナ”とはLISAのまたの略称で、英語でLaser Interferometer Space Antennaです。

なにをするかというと、簡単に言えばブラックホール探しetc…また、地球の研究室では再現できないものを観測することを実現します。

この計画の目的は、直線に相当するものの曲がった空間や時空に、自由落下体※1が測地線※2に従うことを実証することです。

※1自由落下体:今回でいえばこのLISAPathfinder

※2測地線:空間において2点を結ぶ最も短い線のこと

 計画の詳細はこちら⇒http://science.nasa.gov/missions/st-7/(NASA公式サイト)

観測方法①(手順)

まず、何を観測するための衛星なのかについてです。それは重力波。観測方法は3つの衛星どうしがレーザーを出し合って距離を観測するという至ってシンプルなものです。なぜ、そんなものでわかるのかというと、、、

  1. まず、レーザーで時間的距離を測ります。
  2. 観測結果を実際の距離と比較します。
    1. 観測結果に差がない場合
      ⇒重力波なし!
    2. 観測結果に差がある場合
      ⇒重力波があるぞ!
  3. これをデータにします。

なんでわかるのか?

と思う方もいらっしゃるかと思います。では、説明しますね!

※ここからは理論の話になり少し難しくなりますのでご了承ください。

そもそも重力波とはなんぞや?

簡単に言えば時空のさざなみを意味します。比較するのにもってこいなので電磁波の話をします。

電磁波と聞いてまあなんとも体に悪いヤツというイメージを持つ人が大半でしょう。でも、宇宙、地学に詳しい人なら確かに体に悪いけれど、今までの観測対象に使う波長だなー、結構役立つし。みたいなので結構、大切なものです。

そして、電磁波って光もその一種であると知っていましたか?波のできかたは電気による電場と磁気による磁場によってできています。

今までは可視光、赤外線、紫外線、X線などを使っていましたが、これからは重力波を使おうというものです。では、重力波は?先ほど時空のさざなみといいました。わかりやすく比較してみましょう。

電磁波 重力波
光速で伝達する電磁場の変動 光速で伝達する時間のゆがみ
電荷の加速度により生成 物体の持つ質量の加速度により生成
物質内部の状態変化※3 物質に対して強い透過力

※3物質中の電磁波の速度は、物体の屈折率によって変化し、屈折率は電磁波の波長に依存するため、物質中での電磁波の伝播速度は波長によって異なってくる。

このように全く違うものなのです。

(重力波は一般相対性理論に示されています。また、その存在はハルスとテイラーによって間接的に証明されています。)

重力波の伝わり方

重さを持つものは、その重力で周りの時空を歪めています。その物体が運動をすると、まわりの歪んだ時空が波のように宇宙空間に広がってゆきます。これが観測の鍵となります。

binary-wave-sm

観測方法②(しくみ)

観測の際、レーザーが通るのはその空間です。

しかし、重力波があるとその空間自体が歪んでいることになります。例えば、波が空間の1平面を伝わっているとすると、その面にボールを転がすとボールはその面に従います。レーザーの場合も同じことが起こります。

つまり、波のあるときとないときで、レーザーの通る道のりが変わります。この変化を捉えるしくみとなっています。これをデータにします。

これから

今回のLISA計画はNASAとESAの共同計画でしたが日本では、重力波を直接検出する装置としてKAGRAというプロジェクトがあります。また、2021年打ち上げ予定のDECIGOという将来計画もあります。どのプロジェクトも目が離せませんね。

そして、ハルスとテイラーが間接的に証明したと書きましたが、その証明に使われたのが《連星パルサーPSR B1913+ 16》です。証明の根拠となったのが近日点の移動、重力赤方偏移、シャピロ時間遅れ、重力波放出による公転周期減少です。気になる人はぜひ調べてみてください。

また、時空の曲がりと物質のエネルギーはアインシュタイン方程式に出てきます。興味のある方は調べてみてください。

参考:http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/(KAGURA公式サイト)

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